
干溝歌舞伎の復活公演に向け、稽古に励む八木ひなさん=魚沼市干溝
今年は午(うま)年。変化や躍動、急速な進展が起こりやすい年とされる。馬が全力で駆け抜けていくように、今年、新たなことにチャレンジしたり、飛躍を目指したりしている魚沼地域の人々に、今年に懸ける思いを聞いた。(6回続きの4)
<3>目指すは「飽きのこない味」自家焙煎コーヒー豆販売の青柳亨さん(魚沼市)
魚沼市干溝地区に江戸時代から伝わる地芝居「干溝歌舞伎」が4月、12年ぶりに市内で上演される。感染禍などで活動が休止状態だったが、伝統芸能の継承と100歳を超えた長寿者の祝いを目的に、市民らが再始動した。大人の演者のうち、八木ひなさん(18)はただ一人の10代で、中高年の男性に交じって稽古に励んでいる。
昨年12月中旬、集会所で稽古が行われた。演者6人が集まり、公演の音源を流し、台本を読み合わせた。八木さんが出演する演目は「双蝶々曲輪(ふたつちょうちょうくるわ)日記 引窓(ひきまど)」。人の世の義理と情愛の間で葛藤する家族の物語で、主人公・南与兵衛(なん・よへえ)の妻・お早(はや)を演じる。
「唐天竺(からてんじく)へござっても此(こ)の世にさえござれば又逢(あ)われる事もある」。歌舞伎独特の抑揚や発声に苦労しながらも、真剣なまなざしで気持ちを込めて表現した。せりふには普段使わない古い言葉も多く、台本の漢字に振り仮名を付け、言葉の間の取り方など、書き込みがびっしり。
「せりふの言い回しとか、まだ全然分からない。やばい」。休憩時間になると相好を崩した。
高校時代は...
残り858文字(全文:1495文字)











