
母が遭難した粟ケ岳の登山口=5月、三条市
5月の連休中のある夜、めったに電話をかけてこない父から着信があった。母が朝から一人で粟ケ岳(1292メートル)に登り、夕方、道に迷ったと伝えてきたきり音信不通だという。結果として母は翌朝、無事下山した。夏山シーズンを前に身近に起きた山岳遭難の体験を追い、安全な登山について考えたい。
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69歳の母は40代で登山を始め、普段は弥彦山や角田山などの低山を一人で登っている。粟ケ岳登山は7回目で、ほぼ毎年同じ時期に同じルートで登っていた。
この日は三条市側ルートの山開きで多くの登山客がいた。登山口で安全祈願のお札を受け取り、登山届を出して登り始めたのは午前8時。粟ケ岳は急な登りもあり中級レベルといわれる。母も昨年より一つ年齢を重ねたからか登りはきつく感じ、途中で引き返そうと思ったほどだったという。
頂上に着いたのは午後0時半ごろ。昼食を済ませて午後1時過ぎには下山を開始した。歩くペースが遅くて後ろの人に迷惑をかけないよう、早く下りなければと焦りがあったそうだ。
この焦りが「道迷い」につながった。...
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