欧州移籍が発表されていたサッカーＪ２アルビレックス新潟のＭＦ本間至恩選手（２１）がベルギー１部リーグのクラブ・ブルージュと正式契約を結びました。新潟市東区出身。１６４センチの体で大柄な選手を手玉にとるドリブルはファンを魅了し、いつしか「新潟の至宝」と呼ばれるまでになりました。
プロデビュー前から新潟日報の紙面を飾ってきた本間選手。過去の記事を再編集し、新潟から新たなステージへと羽ばたく若者の軌跡を紹介します。（かっこ内の日付は紙面掲載日。敬称略）
渡欧前最後のホーム戦となった千葉戦のピッチに入る本間＝７月６日、デンカビッグスワン
【2016/12/13】
▽努力続ける
高校年代の国内最高峰リーグ、高円宮杯Ｕ－１８プレミアリーグに初参戦したアルビレックス新潟Ｕー１８だったが、最終節で柏ユースに０－２で敗れ、東地区最下位の屈辱に味わうことになった。１年生ながらほぼ全試合に出場したＭＦ本間は「結果は残念だったけど、いい経験になった。再来年、必ずここに戻ってくるために努力していく」と力強く誓った。
柏ユース－新潟Ｕ－１８ 後半、ドリブル突破を図るＭＦ本間＝日立柏サッカー場
【2017/06/01】
▽１６歳、躍動
ＪリーグＹＢＣルヴァン・カップ１次リーグ、Ｂ組のアルビレックス新潟は神戸に０－１で敗れた。本間は１６歳で新潟最年少デビュー。後半３２分、呂比須監督に「楽しんでこい」と送り出されると、武器であるドリブルで相手ＤＦを置き去りにした。試合後の大「本間至恩」コールが、その躍動ぶりを如実に示していた。
試合後、スタンドに手を振る本間（中央）＝デンカビッグスワン
【2018/09/16】
▽値千金のゴール
Ｊ２第３３節、新潟は金沢に２－１で勝利した。１－１で迎えた後半残り１０分に投入されたのは、リーグ戦初出場となったＭＦ本間（新潟Ｕー１８所属のまま出場できる２種登録）。ロスタイムに左サイドから仕掛け、ゴール右隅を打ち抜いた。
新潟ー金沢 後半ロスタイム、ＭＦ本間が勝ち越しゴールを決める＝デンカビッグスワン
【2019/01/11】
▽夢与えるプレーを
Ｊ２新潟は２０１９年シーズンの新体制発表会見を開いた。高校生ルーキー４人がプロとしての一歩を踏み出し、新潟Ｕ－１８から昇格したＭＦ本間は「子どもたちに夢を与えるプレーをしたい」「サッカー選手として結果を出すことが大事」と意気込んだ。
新体制発表会見で撮影に応じる選手たち。本間は前列右から２人目＝デンカビッグスワン
【2019/08/05】
▽「やっと」のプロ初ゴール
Ｊ２第２６節、新潟は徳島に４－０で快勝した。後半４３分、カウンターからＭＦ本間がダメ押しの４点目。勝利を決定づけるルーキーの一撃に、スタジアムはお祭り騒ぎとなった。新潟Ｕ－１８所属だった１８年９月のゴールから約１１カ月。「やっと点が取れて、すごくほっとしています」と本音を漏らした。
新潟ー徳島 後半４３分、ＭＦ本間が右足で決めて４－０＝デンカビッグスワン
【2021/01/25】
▽誇りを持って頑張る
Ｊ２新潟はＭＦ本間至恩と今季の契約更新に合意したと発表した。本間はこの日の朝、チームの高知キャンプ出発前に新潟空港で取材に応じ、「アルビは本当に大事なクラブ。誇りを持って頑張ります」と話した。本間には複数のＪ１クラブから獲得オファーが届いていた。
報道陣の取材に応じる本間＝新潟空港
【2021/08/05】
▽Ｊ１とＪ２の違い
サッカーの第１０１回天皇杯全日本選手権３回戦、新潟はＪ１のＣ大阪に２－３で敗れた。前半、ベンチから試合を見守った本間は「難しいプレーではないが、判断力やそれを生かす基礎技術が高い。そこはＪ２とＪ１で一番違う」と感じていたという。自身は後半から出場し、１ゴールを挙げた。
Ｃ大阪ー新潟 後半ロスタイム、ＭＦ本間がシュートを決め２－３＝ヨドコウ桜スタジアム
【2022/05/30】
▽自分が点を取る
Ｊ２第１９節、新潟は山形に３－０で勝ち、ホームでの連勝を９に伸ばした。ＭＦ本間は「自分が点を取ることが勝利につながるし、チームを上に行かせる方法だ」と２戦連続ゴール。開幕から「アシストでもいい」と考えてプレーしていたが、果敢にゴールに向かう後輩のＦＷ小見の姿勢に感化され、この試合に向けて「点を取ることしか考えてない」と語っていた。
新潟ー山形 後半１３分、ＭＦ本間が２試合連続ゴールを流し込み、２－０＝デンカビッグスワン
【2022/07/10】
▽ここからが勝負
欧州移籍が発表されたＪ２新潟の本間が渡欧前に報道陣の取材に応じ、初の海外リーグ挑戦を前に「楽しみなのと、ここからが勝負。自分のできる、精いっぱいで頑張ってくる」と意気込みを語った。新潟でサッカーをする子どもたちに向けては「自分を見て、大きな夢を持ってほしい」とメッセージを残した。
報道陣の取材に応じる本間＝新潟市
