◆松橋力蔵監督 「貫き通す」戦い方はぶれず
就任2年目の指揮官にとって、J1を戦う上で重要なのは「やってきたことを貫き通す」ことだ。ボールを保持して主導権を握りながら、攻める新潟のスタイル。ステージが変わっても戦い方にぶれはない。

今年の立ち上げのミーティングで、選手に伝えたのは「自分たちのスタイルをどこまで究極のところまで持っていけるか」だった。昨季は積み上げてきたサッカーでJ2を制した。「追求し続け、最終的にどこに行き着くのだろう」。尽きないテーマを掲げる。
強敵が居並ぶ戦いの舞台に、順位や勝ち点など数字的な目標は言及しない。戦ってみないと分からないことも多く、「単純にタフなリーグだと思うし、慣れていく時間も絶対に必要になる」と言う。自分たちの成長に全力を注ぐことが、勝ち点を獲得する近道と考えている。

J1横浜Mのコーチなどを歴任。2019年には優勝を支えるなど、J1をよく知る。「J2と歴然とした差があるとは感じていない」と語る一方で、テクニック、フィジカル、スピードといった特長を高いレベルで生かし切った選手が多いことを挙げる。それゆえに「個々の強さはごまかしがきかない」と、キャンプからチーム力を上げるために個の強化を求めた。
J1での初采配には、「自分みたいな者が18人にしか与えられない権利を得られて、感謝でいっぱい」と謙虚に話す。開幕に向けて静かに闘志を燃やしながら、「どんな状況に置かれようとも、目標に対してチームが一歩でも前進し、成長するような一年にしたい」と決意を口にした。
◎松橋力蔵(まつはし・りきぞう)1968年8月22日生まれ、千葉県出身。2004〜20年、J1横浜Mで下部組織の監督、トップチームコートなどを歴任した。21年に新潟のコーチを務め、22年に監督へ就任した。
