闘病の記録を書き進める前に、すい臓がんについて少し触れておきたい。
すい臓がんの特徴の一つに、早期発見が難しいことが挙げられる。
筆者の場合、がんが見つかった時点で既に肝転移していたことは前回述べた。専門書によればすい臓がんではよくあることで、発覚時点でほぼ2人に1人が遠隔転移を伴う手術不能な状態、つまり「ステージ4」まで進行しているという。
なぜ、早期発見が難しいのか。まずは自覚症状について、筆者のケースを振り返ってみたい。
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日本膵臓(すいぞう)学会の「膵癌(がん)診療ガイドライン」によると、すい臓がんが疑われる症状には腹痛や黄疸(おうだん)、体重減少などがある。筆者に顕著だ...
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