新潟市で北朝鮮によって拉致された横田めぐみさん1977年11月15日、新潟市立寄居中学1年の時の下校中に失踪。2002年9月の日朝首脳会談で北朝鮮が拉致を認めた。北朝鮮はめぐみさんは「死亡」したとして04年に「遺骨」を出したが、DNA鑑定で別人のものと判明。北朝鮮の説明などに不自然な点が多く、日本政府は生存を前提に再調査を求めているが、北朝鮮は「拉致問題は解決済み」としている。=失踪当時(13)=ら、拉致被害者北朝鮮によって無理やり連れ去られ、いまだに多くの拉致被害者が帰国を果たせていない。日本政府が認定する拉致被害者は17人。このうち5人は、北朝鮮が拉致を認めた2002年9月の日朝首脳会談を経て、02年10月に帰国した。しかし残る12人について、北朝鮮は「死亡」や「入国していない」と主張している。政府認定被害者のほか、北朝鮮による拉致の可能性を排除できない「特定失踪者」が400人以上(民間団体調査)いる。の帰国を訴える「忘れるな拉致 県民集会」が11月11日、新潟市中央区の新潟市民芸術文化会館で開かれました。めぐみさんの母・横田早紀江さん(87)が県民集会に寄せたメッセージを公開します。

めぐみさん初めての誕生日=1965年10月5日、名古屋市

 メッセージの中で早紀江さんは、愛娘のめぐみさんをはじめ、救出を待つ拉致被害者を思い「人生が狂ってしまった拉致被害者の人たちは、今でも声に出せない助けを求めて、一生懸命に生きています」と強調。「総理大臣が何人も代わり、本当に何をしているのだと思う」と、進展が見えず停滞する日本政府の姿勢に憤りました。

孫娘のキム・ウンギョンさん(左)と対面し、ひ孫を抱き上げ、ほほ笑む早紀江さん=2014年3月・モンゴル・ウランバートル

 2014年3月、夫の滋さん(2020年に87歳で死去)とともに、めぐみさんの長女キム・ウンギョンさん、ウンギョンさんの娘のチオニちゃんとモンゴルで対面しました。滋さんと一緒に孫とひ孫と過ごした思い出に触れ、「ウンギョンちゃんに会って、チオニちゃんに会って。今度はめぐみちゃんに会いたい」と募る思いを明かしました。

めぐみさんへの思いを語る横田早紀江さん=2023年10月、川崎市

 めぐみさんの拉致から2023年11月15日で46年。「どうしたら助けてあげられるんだろうという思いで、いまだに同じことをお話させていただいている」と悔しさをにじませ、会場に向けて「ご自分のお子さんがこうなっていたら、私たちのように、こうして訴えていたかもしれません。人ごとではないんです」と語りかけました。

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