11月に鳥インフルエンザの感染が発生した胎内市の養鶏場での防疫作業(県提供)
11月に鳥インフルエンザの感染が発生した胎内市の養鶏場での防疫作業(県提供)

 全国の養鶏場で高病原性鳥インフルエンザが確認されている。県内では11月に胎内市で2件確認され、計約90万8千羽が殺処分された。卵高騰にもつながる殺処分の影響を少しでも和らげようと、国は養鶏場内を複数に区切って飼育する「分割管理」の検討を大規模農場に義務付けるなどして導入を促す。しかし、業者にとって設備投資や職員確保の負担は重く、導入は思うように進んでいない。予防ワクチン接種など、多面的な対策を求める声もある。(新発田総局・小柳香葉子)

<養鶏場の分割管理>一つの農場を複数の衛生管理区域に分け、区域ごとに出入り口や消毒場所、集卵設備などを設けてそれぞれ別の農場として扱う管理方法。作業員も区域ごとに分けて専任する。一つの区域で鳥インフルエンザの感染が発生しても、別の区域で感染が確認されなければ、発生した区域の鶏の処分だけに限定できる利点がある。

 「分割管理には新たな建物が最低でも2棟必要。2億円以上はかかる」。県内で30万羽規模を飼育する養鶏場の責任者の男性は、自社の試算を明かす。分割管理の導入には、感染を防ぐシャワー室を備えた建物の新設、鶏ふん処理施設の増設などが必要とみている。

 加えて、分割した区域ごとに...

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