立ち入り禁止区域を示すロープを張る佐藤貴志さん=妙高市の赤倉観光スキー場
立ち入り禁止区域を示すロープを張る佐藤貴志さん=妙高市の赤倉観光スキー場

 冬の新潟県・妙高高原エリアが、インバウンド(訪日外国人旅行客)で活気づいている。新型コロナウイルスの水際対策の終了や円安を追い風に、訪日客数は増加している。宿泊施設や妙高市の関係者は「感染症流行前の水準に戻ってきた」と回復への手応えを感じている。訪日客は妙高にどんな魅力を感じ、受け入れ側はどんな工夫をしているのか、探ってみた。(上越支社・小澤楓花)=3回続きの3=

 2月上旬、新潟県妙高市の妙高杉ノ原スキー場。立ち入り禁止区域とされているゴンドラやリフトの下にはスキーやスノーボードが滑った跡が残っていた。

 「誰も滑っていない新雪の感触が味わいたくて」。オーストラリア人男性はつぶやいた。「禁止エリアだとは分かっているけど、楽しそうという気持ちが大きい」

 妙高高原地区のスキー場では、ひと晩で1メートル近くの雪が降る日もある。水分量の少ない粉雪が短時間に大量に降り積もり、...

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