日に何本も列車が走るわけでなくても
そのまちに鉄道の線路があり、駅舎が存在するだけで、
外と「つながっている」確かな安心感がある。

もちろん、バスも同じ公共交通である。
乗り継げばどこにも行けるのだが、
目に見える鉄道の施設が醸し出す存在感はバスのそれとは明らかに違う。

鈍く光るレールと枕木。
プラットホームに立てば
近づく列車の、車輪とレールのつなぎ目が奏でる音が伝わってくる。
改札口と時刻表。
なぞだらけの表示板やケーブル、そして信号機。

ひと昔前までは
かなり小さな駅にも売店があった。
「キオスク」などという名がないころの話である。

新聞のスタンドに朝刊各紙が並び、
週刊紙が平積みされている。
パン、タバコ、ドロップ、...

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