思い出の残し方はさまざまだが、こと蒸気機関車(SL)の「形見」となると動輪が選ばれるのはなぜだろう。
かつて新潟県内でも、さまざまなSLが客車や貨車を引っ張っていた。
静態保存されているものもあるが、敷地の確保や維持管理費などを考えると、一両まるごと残すのは容易ではない。

「せめて部品の一部でも」というときに選ばれるのが、煙突でもなく、ピストンでもなく、ボイラーでもなく
コンパクトながら丈夫で重量感たっぷりの動輪なのである。

羽越線と米坂線の分岐点、坂町駅前には
「D51611」の動輪が展示されている。
重くて大きな車体を支え、峠を上り、海辺を走ってきた鉄の塊。
いまは錆止めを塗られて静かにたたずんでいるが、...

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