宮脇俊三さんの「時刻表昭和史」で
夜行「上越線708列車」のすさまじい混雑ぶりが紹介されている。
戦争が終わった直後、昭和20年9月のことである。
東京生まれ東京育ちの宮脇さんは戦中、母親らとともに新潟県村上市に疎開していた。
東京には父親が残っており、宮脇さんは村上と東京の間の「連絡係」として
頻繁に往復していたらしい。
たいていは昼間の列車を使っていたというが、
ある日、以前から気になっていた夜行列車に乗ることになった。
始発は秋田。
村上を出るのは20時19分だ。
宮脇さんは振り返る。
「この夜行列車は、ほぼ定時運転であったが、非常に混雑していた。座席に坐るのは望外のことで、車内に入れるかどうかが問題であった...
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