ふと思うことがあります。松尾芭蕉が生きた時代に、もし鉄道があったら。 弟子の河合曾良(かわいそら)に向かって言うんですね。 「時間ですよ。そろそろ列車が出ます」 「奥の細道」出発の地は江戸。 東京駅から東北新幹線を使うか。でも、それじゃ速すぎて味気ない。俳句を詠むにはゆったりと流れる時間がほしい。 東北線の各駅停車でゴトゴトと、みちのくへと北上したに違いありません。 ぐるっと回って越後の国へ。JR羽越線のジョイフルトレイン「きらきらうえつ」では、きっと海側の席を取ったと思います。夕日がきれいですからね。 地酒飲み比べセットを曾良と酌み交わしながら沈む日をめでたの...
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