本格的な山菜採りのシーズンを迎えた。例年起きるのが、山菜など食用の植物と有毒植物を誤って食べる食中毒だ。春は、新芽や若葉が似ていることなどから、食用植物と毒草を間違えやすい季節だという。新潟県内では過去に誤食で死亡した事例もある。ゴールデンウイークで、山に山菜採りに出掛ける人もいるだろう。注意点などをまとめた。(報道部・徐裕子)

一口かんで飲み込んだ後に、違和感を抱いた。「あれっ、何か口が変と思った途端に、口とのどに痛みとしびれを感じた」。南魚沼市の女性(61)は当時の恐怖を振り返る。
2022年5月3日の朝。前日に夫が近くの山で採ってきた有毒植物のヒメザゼンソウを山菜のウルイ(オオバギボウシ)と間違って、おひたしにして食べた。一緒に食べた夫も同じ症状で、病院に向かった。幸い2人とも軽症だったが、しばらく口やのどの痛みやしびれが続き、女性は「このまま死ぬんじゃないかと思った」。
毎年春になると...
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