
新潟市の中原八一市長は5月24日の定例会見で、熊本県で行われた水俣病熊本県水俣市のチッソ水俣工場から不知火海(八代海)に流された排水に、毒性の強いメチル水銀が含まれ、汚染された魚介類を食べた住民らに手足のしびれや感覚障害、視野狭窄(きょうさく)といった症状が相次いだ。1956年に公式に確認され、68年に国が公害と認定した。母親の胎内で影響を受けた胎児性患者もいる。根本的な治療法は見つかっていない。新潟県の阿賀野川流域でも同様の病気が発生。この新潟水俣病のほか、イタイイタイ病、四日市ぜんそくとともに、四大公害病と呼ばれる。被害者らと伊藤信太郎環境相との懇談の際、被害者側の発言中にマイクが切られた問題について「大変不適切な行為だ」と国の対応を批判した。
新潟県でも2015年、新潟水俣病1965年、新潟県の阿賀野川流域で公式確認された。阿賀野川上流の鹿瀬町(現阿賀町)にあった昭和電工(現レゾナック・ホールディングス)の鹿瀬工場が、アセトアルデヒドの生産過程で生じたメチル水銀を含む排水を川に流し、汚染された川魚を食べた流域住民が、手足の感覚障害や運動失調などを発症する例が相次いだ。56年に熊本県で公式確認された水俣病に続く「第2の水俣病」と呼ばれる。の被害者と環境相の懇談会を環境省側が打ち切ろうとして紛糾した事例があり、中原市長は「環境省には、懇談の時間をしっかりと取り、被害者の声を真摯(しんし)に聞いてほしい」と求めた。
5月31日に新潟県主催で行う新潟水俣病の式典に伊藤環境相は欠席する方向で、中原市長は「大臣から来てもらえれば被害者も喜ぶと思うが、国会開会中なので、理解をいただくほかない」とした。
一方、...
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