安倍晋三元首相が街頭演説中に銃殺されるという事件は、世界じゅうを震撼(しんかん)させた。その上、日本の世論をもう一度揺さぶったものがある。それが、犯行の「動機」である。

 容疑者は、家族崩壊の元凶は母親が入信した旧統一教会(世界平和統一家庭連合)そのものにあると受け止め、激しく憎悪した。教会の総裁襲撃を計画したが、かなわなかったという。そして、教会との関係が近いとされる、政界屈指の実力者に狙いを定め、タイミングを...

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