ロシアによる「特別軍事作戦」から1年となるのを前に、2月上旬、ウクライナを取材に訪れた。場所は首都キーウとその周辺だ。

 出発前、番組スタッフとの間で確認したことがある。それは、安易に「ウクライナ応援団」になるのは避けようということだった。もちろん、ロシアの肩を持つということでは決してない。できるだけ客観的に、ウクライナの今を描写し、人々の声を伝えようという意味だ。

 悲惨な戦禍の中だけに、取材者も感情移入しやすい。...

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