大沢孝司さんの兄昭一さんら特定失踪者の家族が出席した全国集会。家族の訴えは「しおかぜ」に収録された=2023年10月、東京都庁前
大沢孝司さんの兄昭一さんら特定失踪者の家族が出席した全国集会。家族の訴えは「しおかぜ」に収録された=2023年10月、東京都庁前

 北朝鮮向けラジオ「しおかぜ」の放送継続のため、運営する特定失踪者北朝鮮による拉致の可能性が排除できない行方不明者。2002年に、かつて北朝鮮による拉致被害者として名前が浮上していなかった曽我ひとみさんが帰国したことなどを受け、03年に民間団体「特定失踪者問題調査会」が特定失踪者を独自にリストアップしている。政府認定の拉致被害者は、02年に帰国した5人を含めて17人。問題調査会がクラウドファンディング(CF)で支援を募っている。しおかぜは北朝鮮の拉致被害者らへ日本からメッセージを送る貴重な手段だが、2024年はCFでの目標額に対する支援の集まりが例年よりも遅く、調査会は「国民の力を貸してほしい」と呼びかけている。

 情報源や娯楽が乏しい北朝鮮でラジオは重要なメディアとなっている。しおかぜは、北朝鮮にいる拉致被害者らに情報を届けようと2005年に放送が始まり、日本語や朝鮮語など4カ国で毎日放送する。

 新潟市で拉致された横田めぐみさん1977年11月15日、新潟市立寄居中学1年の時の下校中に失踪。2002年9月の日朝首脳会談で北朝鮮は拉致を認めた。北朝鮮はめぐみさんは「死亡」したとして04年に「遺骨」を出したが、DNA鑑定で別人のものと判明。北朝鮮の説明などに不自然な点が多く、日本政府は生存を前提に再調査を求めているが、北朝鮮は「拉致問題は解決済み」としている。=失踪当時(13)=の家族や、拉致の可能性が排除できない特定失踪者$$too...

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