新潟大医歯学総合病院高度医療開発センターの中田光特任教授

 新潟大医歯学総合病院高度医療開発センターの中田光特任教授(69)のグループが開発に携わった指定難病「自己免疫性肺胞蛋白(たんぱく)症」の世界初の治療薬が、7月29日に販売されることが分かった。2024年3月、国から薬事承認され製造販売に至った。現在の治療法は身体への負担が大きく、患者は「治療の選択肢が増えた。大きな転機だ」と喜ぶ。

 肺胞蛋白症肺の中で酸素と二酸化炭素を交換する組織「肺胞」に、蛋白様物質がたまることで交換ができなくなり、血中酸素が不足して息切れや呼吸困難などを引き起こす病気。3タイプあり、自己免疫性が9割を占める。自己免疫性は、蛋白様物質を処理する免疫細胞の一つ「マクロファージ」の成熟に必要な物質「GM-CSF」の働きを妨げる自己抗体が過剰になることで発症する。は肺に老廃物(蛋白様物質)が異常にたまり、呼吸困難などを引き起こす病気。新薬は吸入剤で、免疫細胞の一つ「肺胞マクロファージ」の成熟を促す物質「GM-CSF」の人工タンパクを吸入する。成熟したマクロファージが老廃物を分解し、肺機能を改善させる。商品名は...

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