新潟市中央区の古町を拠点に活動する3人組アイドルグループ「RYUTist(りゅーてぃすと)」が、12月1日に卒業公演を行い、グループ活動を休止する。2011年の結成以来、新潟に密着し、各地のイベントで活躍してきた。宇野友恵さん(25)と五十嵐夢羽さん(23)、横山実郁さん(22)は13年間を振り返り、「ファンや新潟、スタッフに支えてもらい活動を続けられた」と感謝している。
◇振り返る まばたきの中
RYUTistは当初、宇野さんと五十嵐さんを含むオーディションで選抜された5人でデビューした。メンバーは全員が新潟県内出身。新潟市を表す「柳都」の「アーティスト」という意味を込めて名付けられた。2012年と16年に1人ずつメンバーが卒業し、同年に横山さんが加入し4人体制に。23年4月に元リーダーの佐藤乃々子さんが卒業してからは、3人体制で活動してきた。

RYUTistのデビューを伝える新潟日報の記事
卒業を前に、3人は「活動の原動力はファンの皆さんだった」とかみしめる。X(旧ツイッター)では3人の卒業発表以降、ファンが「#りゅーてぃすとナイスポーズ」をつけて、グループのお気に入りの写真を投稿している。宇野さんは「卒業発表から直接会えていないが、ファンの皆さんが毎日上げてくれる写真を見ると、つながっている気がしてうれしい」と話す。

「3人体制のお披露目ライブでは、ファンが3人でも応援すると言ってくれて安心した」と宇野友恵さん
五十嵐さんは「ファンレターで、私のことを生きる原動力と言ってもらえた。誰かを歌とダンスで元気にしたくて活動を始めたから、夢がかなってうれしい」と喜ぶ。横山さんは「(ファンは)RYUTistのことを自分事のように喜んでくれる。心優しいピュアで泣き虫な人が多くていとおしい」と話し、3人で「卒業公演では、ファンにつられて泣いちゃいそう」と笑った。
◇美しい曲に 想いふくらんで
佐渡金山の世界遺産登録応援ソング「佐渡は世界の宝島」も歌った。7月28日に行った13周年記念ライブの前日、佐渡金山の世界文化遺産登録が決定。「長く佐渡のPRをしてきたので、登録を聞いて貢献できたとすごくうれしかった」と宇野さん。13周年記念ライブでは「佐渡は世界の宝島」を歌う予定はなかったが、急きょアカペラで披露。「ファンの皆さんも踊りが完璧で、突然の企画だけど楽しかった」とほほ笑んだ。

新潟日報の紙面企画でも佐渡の魅力を紹介したRYUTist
13年間で150曲以上をリリース。お気に入りの曲は三者三様だ。五十嵐さんは「黄昏のダイアリー」を挙げ、「ライブの良しあしが決まるパートを任されて、私と言えばこの曲と印象づけられた」。横山さんは、RYUTistとして初めてレコーディングに参加した「Sunsetガール」。「グループとして歌う難しさを知った曲」という。宇野さんは「毎週古町でライブをしたことや、萬代橋を渡ってスタジオに通った日々を思い出す」と「ラリリレル」を選んだ。

「デビューライブで見た景色やファンからの声援はずっと覚えている」と五十嵐夢羽さん
◇同じ歩幅 違う未来
精力的に活動を続ける中、3人が進退を考えるきっかけになったのが、2023年4月の佐藤乃々子さんの卒業だった。横山さんは「3人で続けるのが正解なのか、ファンは受け入れてくれるか、正直不安だった」と打ち明ける。宇野さんは「乃々子ちゃんが精神的支柱だった。3人でそこを補い合うまでに時間はかかったけど、そのおかげで3人は成長した」と語る。ただ今回、メンバーの将来などを考えて、卒業と活動休止という形で新たな道を歩もうと判断したという。

「ファンが自分以上にRYUTistや自分のステップアップを喜んでくれてすごく幸せだった」と横山実郁さん
10月4日から、ラストライブツアー「Hello,goodbye」を開催し、同14日は新潟市中央区のライブホールGOLDEN PIGS BLACK STAGEで公演する。また11月24日には、新潟県内最後となるホームライブ「うちにおいでよ」を、古町の柳都オレンジスタジアムで開催。12月1日は、8周年記念ライブを行った思い出のある東京都渋谷区のSHIBUYA CLUB QUATTROで卒業公演を行う。このほか、トークイベントなども予定しており、卒業ライブまで全力で駆け抜ける。
3人は「これまでどの瞬間にもファンの皆さんがいてくれて、いろいろな挑戦ができた。感謝を伝えて、笑顔でサヨナラしたい」と語る。
10月14日の新潟公演は午後2時開演。一般4000円、学生500円。11月24日のホームライブは午後2時開演。一般3500円、学生500円。12月1日の卒業公演は午後5時開演。一般4000円、学生1000円。詳細は公式ホームページ。