国民大集会で石破茂首相の話を聞く(左から)曽我ひとみさん、横田早紀江さん、拓也さん=11月23日、東京都千代田区
国民大集会で石破茂首相の話を聞く(左から)曽我ひとみさん、横田早紀江さん、拓也さん=11月23日、東京都千代田区

 北朝鮮による拉致問題1970~80年代、北朝鮮が日本人を連れ去る国際犯罪を重ねた。工作員の教育などが目的とされる。2002年の日朝首脳会談で金正日総書記が拉致を認めて謝罪。被害者5人が帰国し、8人は「死亡」とされた。日本政府認定の被害者は計17人で、北朝鮮は4人を「未入国」と主張している。日本側は説明に不審な点が多いとして受け入れず、交渉は停滞している。の解決を訴える「国民大集会」が11月23日、都内で開かれた。拉致被害者家族は親世代の高齢化を踏まえ、「日朝両政府はタイムリミットを強く意識してほしい」と早期の進展を訴えた。首相就任後初めて出席した石破茂首相は、日朝首脳会談の実現へ意欲を示した。

 拉致問題を巡っては、2002年の日朝首脳会談2002年9月の第1回日朝首脳会談で北朝鮮は拉致を認め、謝罪。日朝間の不幸な過去を清算し、諸懸案を解決するなどの共通認識を確認した日朝平壌宣言が調印された。宣言で日本は国交正常化後の経済協力などの実施を明記。北朝鮮は「日本国民の生命と安全にかかわる懸案問題」と表現した拉致の再発防止を約束した。02年10月に蓮池薫さんら5人が帰国。04年5月の第2回会談で蓮池さんらの子どもたち5人を日本に迎えた。後に拉致被害者5人が帰国2004年5月22日、当時の小泉純一郎首相と北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記が平壌で会談し、02年に帰国した拉致被害者の家族5人を日本に迎え入れた。5人は蓮池薫さん、祐木子さん夫妻の子ども2人、地村保志さん、富貴恵さん夫妻の子ども3人。曽我ひとみさんの家族は、元米兵の夫ジェンキンスさんを米国が訴追する可能性があり、来日が持ち越された。曽我さん一家4人は04年7月、インドネシア・ジャカルタで再会を果たし、全員で帰国・来日した。以降、一人の救出も実現していない。新潟市で拉致された横田めぐみさん1977年11月15日、新潟市立寄居中学1年の時の下校中に失踪。2002年9月の日朝首脳会談で北朝鮮は拉致を認めた。北朝鮮はめぐみさんは「死亡」したとして04年に「遺骨」を出したが、DNA鑑定で別人のものと判明。北朝鮮の説明などに不自然な点が多く、日本政府は生存を前提に再調査を求めているが、北朝鮮は「拉致問題は解決済み」としている。...

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