石破首相との面会で発言する横田めぐみさんの母早紀江さん(中央)。右はめぐみさんの弟で拉致被害者家族会代表の横田拓也さん=10月17日午前、首相官邸
石破首相との面会で発言する横田めぐみさんの母早紀江さん(中央)。右はめぐみさんの弟で拉致被害者家族会代表の横田拓也さん=10月17日午前、首相官邸
横田めぐみさんの母早紀江さん(手前)らと面会し、発言する石破首相=10月17日午前、首相官邸
石破首相との面会後、取材に応じる横田めぐみさんの母早紀江さん(手前左)。同右はめぐみさんの弟で拉致被害者家族会代表の横田拓也さん=10月17日午前、首相官邸

 新潟市で北朝鮮に拉致北朝鮮が日本に暮らす人々を無理やり連れ去る「拉致」を行い、いまだに多くの被害者が帰国を果たせていない問題。2002年9月の日朝首脳会談で北朝鮮の当時の指導者・金正日(キム・ジョンイル)総書記が日本人を拉致した事実を初めて認める。日本政府が認定する拉致被害者は17人。このうち5人が02年10月に帰国した。政府認定被害者のほか、北朝鮮による拉致の可能性を排除できない「特定失踪者」が400人以上(民間団体調査)いる。された横田めぐみさん1977年11月15日、新潟市立寄居中学1年の時の下校中に失踪。2002年9月の日朝首脳会談で北朝鮮は拉致を認めた。北朝鮮はめぐみさんは「死亡」したとして04年に「遺骨」を出したが、DNA鑑定で別人のものと判明。北朝鮮の説明などに不自然な点が多く、日本政府は生存を前提に再調査を求めているが、北朝鮮は「拉致問題は解決済み」としている。=失踪当時(13)=の母早紀江さん(88)ら拉致被害者家族は10月17日、首相官邸で石破茂首相と面会した。めぐみさんの弟で家族会代表の横田拓也さん(56)は全被害者の即時一括帰国を求めるとともに、首相が訴える日朝間の連絡事務所設置に関して「一切求めていない」と明言した。

 石破首相が拉致被害者家族と面会するのは就任後初めて。首相は冒頭、「拉致事件は国家主権の侵害だ。もう時間が残っておらず、最善を尽くす」と発言。「(日朝の)首脳同士が大局観を持ち、お互いの考えを率直に述べ合うことは極めて重要だ」と、首脳会談の実現へ意欲を語った。

 拓也さんは連絡事務所の設置に反対する考えを示し、「北朝鮮による時間稼ぎや問題の幕引きにしか寄与しない」と強調。早紀江さんはめぐみさんの拉致から11月で47年となることを踏まえ、「どんな思いでいるのかも分からない。救出を実現するまで諦めることはない」と話した。

 石破首相は10月2日に被害者家族へ電話し...

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