
北朝鮮帰還事業の犠牲者を悼んだ式典=12月14日、新潟市中央区
北朝鮮に在日朝鮮人や日本人妻らを送った帰還事業(1959〜84年)の第1船が新潟を出港してから12月14日で65年となった。現地で亡くなった人を追悼する式典が新潟市中央区の新潟西港で開かれ、脱北者ら約50人が参加、今も北朝鮮に残る家族の早期救出や人権問題の解決を願った。
25年続いた帰還事業では約9万3千人が北朝鮮に渡った。当時の北朝鮮は「地上の楽園」と宣伝されていたが、現地では多くの人が厳しい差別や監視、貧困に苦しんだ。
式典は北朝鮮の人権問題の解決に取り組む新ボトナム会(東京)が主催。来場者は埠頭(ふとう)で黙とうをささげ、献花した。
新ボトナム会代表の川崎栄子さん(82)は帰還事業で北朝鮮に行き、2003年に脱北した。川崎さんは「社会の一番下に置かれ、一日命をつなぐのが大変な状況だった。北朝鮮での自由と人権を確立させ、残された家族を救いたい」と決意を新たにした。
北朝鮮出身の脱北者の...
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