
阪神大震災の発生から30年の節目に、本社・工場の復旧に奔走した父山下清さんの写真に手を合わせる清一さん=1月17日、兵庫県伊丹市(本社取材班・富山翼撮影)
激しい揺れに耐えきれず、工場の1階に2階の床が落下。太い柱は垂直方向に強い力がかかり、中央が大きく膨らんでいた。阪神大震災から30年となる1月17日、兵庫県尼崎市の山下清一さん(76)=新潟県佐渡市出身=は、会長を務める「精和工業所」(兵庫県伊丹市)にいた。「震災を乗り越え、ここまでこられたのはおやじのおかげです」。震災の復旧に奔走した創業者の父清さん(2006年に81歳で死去)の写真に手を合わせた。(新潟日報社取材班・平賀貴子)
清一さんは母の実家がある佐渡市で生まれ育ち、小学4年で尼崎市に引っ越した。精和工業所は1962年、父が創業。当初はステンレス製の厨房(ちゅうぼう)機器が中心だった...
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