午前8時半からの営業開始を待つ来場者たち。バブル期のスキーブームのような行列ができた=3月9日、村上市蒲萄
ぶどうスキー場山頂のリフト降り場。来場客への感謝の気持ちを書いたボードが掲げられた=3月9日、村上市蒲萄

 新潟県最北のスキー場、村上市営のぶどうスキー場が3月9日、37年の歴史に幕を閉じた。リフトはわずかに2基。運営スタッフも来場者もほとんどが地元の住民と地場に根ざしたスキー場だった。この日、スタッフも来場者もそれぞれに思い出をかみしめた。県北のスキー場が迎えた最後の1日を追った。

 午前8時前。3人のパトロール隊がいつも通り営業前のコースを確認した。山頂に登ると、目の前の雲海とパウダースノーに感嘆した。

 「最後に最高のコンディションだ」

 パトロールの一人、飯山達哉さん(33)は3シーズン目の勤務。「ここでスキーを始めたから、思い出ばかり」と表情を緩める。「きょうはお客さんに一本一本かみしめて滑ってもらいたい。その手伝いをしたい」

営業開始前、山頂からコース内を回り、安全を確認するパトロール隊=3月9日、村上市蒲萄

 圧雪車を担当する...

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