
サッカーの高校年代で最高峰の舞台「高円宮杯U―18(18歳以下)プレミアリーグ」が4月5日に開幕した。全国大会の常連高校やJクラブのユースが日本一を争うリーグに、帝京長岡高校が2年連続で参戦する。13日に長岡市の長岡ニュータウン運動公園で行うホーム開幕戦を前に、今年のチームの特徴や注目選手を紹介する。
【関連記事】
選手名簿はこちら
プレミアリーグは東西の各地区12チームの2リーグ制。12月14日までホームアンドアウェー方式による2回戦総当たり戦を実施する。東西の優勝チームがタイトルを懸け、直接対戦する。帝京長岡高は昨年、西地区7位で、今年も西地区に入った。
西地区は昨季、全国高校選手権に出場した鹿児島城西と米子北がプリンスリーグへ降格。今季はG大阪ユース、福岡ユースが昇格してきた。両チームとも過去にプレミアリーグを戦っていた強敵だ。戦前の予想では昨季以上に拮抗したリーグになると見ており、古沢徹監督は「(2年目の)うちがリーグ内で新参者ということに変わりない」と気を引き締めている。

帝京長岡高の代名詞といえば、華麗な個人技や巧みなパスワーク。プレミアリーグ1年目の昨季も、J2仙台でプロ入りしたFW安野匠らを筆頭に帝京長岡らしいサッカーで戦い抜いた。昨夏の全国高校総体(インターハイ)は県勢初の3位入賞。夏までのプレミアリーグで毎週のように全国レベルの強豪としのぎを削ることで、チームの練度が上がり、それがチームの新たな歴史をつくる要因となった。

技術に優れていた昨季のチームと比べ、今季は「昨年ほどテクニカルな部分があるわけではない」と古沢監督。ただ、今年はサイズのある選手がそろっており「去年にはない、ダイナミックな部分を攻守に取り入れたい」と強調する。帝京長岡らしいパスをつなぐサッカーは大事にしつつ、セットプレーから得点を奪うなど、今年のメンバーに合う戦術も取り入れていく考えだ。

チームは全国高校選手権の県予選で敗退した昨年11月以降、新2、3年生だけでプレミアリーグの残っていた4試合を戦った。一足早く経験値を積んだ選手からは「どのくらいでのプレーをしないといけないのか、基準を気づかされた」との声が上がった。そこから今春のリーグ開幕までは、攻守の1対1で負けないといった個人のベースアップなどに注力。指揮官も「選手たちとは11月からの4カ月を大事に使おうと話してきた。フライングを切れたから良かったと、思えるようなシーズンにしたい」と語る。
帝京長岡高は昨季、長岡ニュータウン運動公園で行ったホーム戦で、観客数が1000人を超える試合もあった。サッカーファンが熱い視線を送るリーグに、古沢監督は「試合を見ていただいて、サッカーの魅力を長岡に、新潟県に発信するというのはすごく素敵なことだと思う。今年はビッグスワンでの試合も予定(10月19日の第18節東福岡戦)している。高校選手権の決勝だけじゃない文化も根付かせたい。そのためにも、このリーグに居続けないと」と一層の使命感を口にした。群雄割拠のリーグで、今年はどんな熱戦が繰り広げられるか。

◆チーム伝統の14番を背負う2年生エース、MF和食陽向
伝統のエースナンバー14を託されたのは、2年生のMF和食陽向だ。狭いスペースで巧みにボールを引き出し、好機を築く技巧派は「(14番は)歴代でもチームを引っ張れるイメージ。憧れてきた番号なので、責任を持ってやりたい」と決意を口にする。
1年生の昨季は、入学直後からいきなりチームの主力に名を連ねた。周りを生かすプレーは秀逸で、昨夏のインターハイは1試合で3アシストを記録した試合もあるほど。ただ、自らは「プレーのスピードが速くて最初は合わせるのが難しかった。けど、(当時の)3年生が『自由にやれ』と支えてくれて、やりやすかった」といたって謙虚だ。

今季は...