
祖父の故横尾義智さんの生涯をまとめた著作を手にする河村一美さん=2021年9月、上越市
上越市の高田文化協会の事務局長を務めた河村一美さん=同市=が10日、80歳で亡くなった。上越地域の文化の継承と発信に尽力し、執筆活動にも取り組んだ。関係者からは「温かな人柄で上越地域の文化を盛り上げてくれた」と悼む声が上がった。
河村さんは1945年、旧満州の牡丹江で生まれ、旧高田市(現上越市)で育った。高田北城高を卒業後、主婦の傍ら児童文学作品などを執筆。目の不自由な女性旅芸人「瞽女(ごぜ)」を題材にした「昔、瞽女さんが雁木(がんぎ)の町を歩いていたんだよ」は2019年、小川未明文学賞の優秀賞を受賞した。
05〜23年には高田文化協会の副会長兼事務局長を務め、文芸誌「文芸たかだ」の発行のほか、上越ゆかりの文化人らを顕彰する活動にも熱心に取り組んだ。文化協会の...
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