県内に初寄港したクルーズ船「アイーダ・ステラ」(7万1304トン)=4月11日、新潟東港

 インバウンド(訪日客)が全国的に増える中、新潟県に寄港するクルーズ船が増えています。2025年度は「ダイヤモンド・プリンセス」など、過去最多となる29回を予定。乗客定員が4000人を超える、一つの街のような巨大客船の寄港も2回予定されています。県内初寄港となる船も12隻あります。

 県によると、これまでのクルーズ船の寄港最多は19年度の25回でした。その後、新型コロナウイルス禍で、一時はゼロになりましたが、徐々に回復。24年度は18回でしたが、過去最多となることが確実視される状況です。

 寄港する船の中で最大は10月に新潟東港に寄港する「スペクトラム・オブ・ザ・シーズ」(総トン数16万9379トン)。乗客定員は、実に小規模な町村の人口に匹敵する4246人にも達します。7月に寄港する「アドラ・マジック・シティ」(同13万6201トン)も4250人と、4千人を超えています。

クルーズ船の寄港予定(新潟県ホームページから)

 このほか2020年、横浜港への寄港時に新型コロナウイルスの集団感染が発生し、その名が知られることになった「ダイヤモンド・プリンセス」(同11万5906トン)も11月に入港する予定です。6月にはダイヤモンド・プリンセス船内での感染拡大をテーマにした映画「フロントライン」の公開も控えていて、注目されそうです。

 ことし4月に竣工(しゅんこう)ばかりの新造船「飛鳥Ⅲ」(同5万2200トン)も、9月に佐渡の両津港に初寄港します。

 県港湾振興課によると、クルーズ船の寄港は2年ほど前に決まることが多いそう。2024年の新潟県の大きなトピックとなった佐渡金山の世界文化遺産登録の効果が、今後出てくることに期待を寄せています。

 地域への経済波及効果も大きいとされるクルーズ船。担当者は「これまでは西日本への寄港が多かったが、日本海側への注目も高まってきている。PRに引き続き力を入れていきたい」としています。...

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