拉致問題の解決を訴える横田拓也さん=6月8日、上越市柿崎区
拉致問題の解決を訴える横田拓也さん=6月8日、上越市柿崎区

 新潟市で北朝鮮に拉致された横田めぐみさん1977年11月15日、新潟市立寄居中学1年の時の下校中に失踪。2002年9月の日朝首脳会談で北朝鮮は拉致を認めた。北朝鮮はめぐみさんは「死亡」したとして04年に「遺骨」を出したが、DNA鑑定で別人のものと判明。北朝鮮の説明などに不自然な点が多く、日本政府は生存を前提に再調査を求めているが、北朝鮮は「拉致問題は解決済み」としている。=失踪当時(13)=の弟で、拉致被害者家族会代表の拓也さん(56)が8日、上越市柿崎区の下黒川小学校で講演した。拉致被害者の一日も早い帰国実現に向けて「拉致問題北朝鮮が日本に暮らす人々を無理やり連れ去る「拉致」を行い、いまだに多くの被害者が帰国を果たせていない問題。2002年9月の日朝首脳会談で北朝鮮の当時の指導者・金正日(キム・ジョンイル)総書記が日本人を拉致した事実を初めて認める。日本政府が認定する拉致被害者は17人。このうち5人が02年10月に帰国した。政府認定被害者のほか、北朝鮮による拉致の可能性を排除できない「特定失踪者」が400人以上(民間団体調査)いる。をひとごとでなく自分たちの問題として捉え、支援してほしい」と呼びかけた。

 拓也さんは拉致事件前の家族写真をスライドで紹介しながら「幸せだった当たり前の日常が、ある日突然奪われた」と強調。「小さかったころのめぐみちゃんの姿で記憶が止まったまま。元気にしているのだろうかと毎日考えている」と被害者家族の苦しい胸の内を明かした。

 また、拉致問題の風化に危機感をにじませ、「拉致は歴史上の問題ではなく、現在進行形の問題。絶対に...

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