自民党の歴史的大勝で幕を閉じた衆院選を経て、第2次高市政権が始動しました。高市早苗首相が訪米し、19日に予定される日米首脳会談をはじめ、外交分野も今後の政権運営における注目ポイントとなります。外交は国家間の友好関係を構築する上で重要な機会です。皇室の方々や閣僚の外交を報じるニュース映像、報道写真には、要人の傍らで歌舞伎の黒子のように付き添う人の姿が見えます。国としての“コトバ”を担う通訳です。
在ブラジル日本大使館の柴田道子さん(41)=上越市出身=は、ポルトガル語を専門とし、東京・霞が関の外務省本省に勤務していた2022~25年に、天皇陛下や秋篠宮家の次女佳子さま、岸田文雄元首相、石破茂前首相らの通訳を担当しました。「通訳は例えるなら『車のキーの鍵穴』のようなものだと思います」。そう語る柴田さんの体験を通じ、「外交の黒子」の世界を探ってみたいと思います。
外務省の通訳は、発言者が数フレーズを話した後に区切り、正確に内容を伝えることを繰り返す逐次形式が基本となります。報道などで目にするフォーマルな1対1の会談がイメージしやすいですが、それだけにとどまらず「レセプションや晩さん会といった社交の場、会議の合間に生まれる偶発的な対話など、オケージョン(機会)は多岐にわたります」と柴田さん。いずれの場面でも、円滑なコミュニケーションを築く上で気は抜けず、高度な語学力に豊富な知識、そして的確な対応力が求められます。
要人が同じ言語でコミュニケーションを取ることができれば一番スムーズで理想的ですが、実際は難しいです。通訳を挟むこと自体が一つのノイズとなるため、それをどれだけ低減できるかが重要になります。「途中で『あの』『えーと』と間が多かったり、言葉に詰まったりすると安心して聞いていられないですよね。存在を感知させず、黒子のように立ち回ることが最良の通訳だと考えています」
専門性が高く、ある意味で属人的な仕事のような印象を受けますが、...











