水俣病救済法案を衆院事務総長に提出する立憲民主党の篠原孝衆院議員ら(中央右)=19日、国会
水俣病救済法案を衆院事務総長に提出する立憲民主党の篠原孝衆院議員ら(中央右)=19日、国会

 立憲民主党など野党6会派は19日、水俣病熊本県水俣市のチッソ水俣工場から不知火海(八代海)に流された排水に、毒性の強いメチル水銀が含まれ、汚染された魚介類を食べた住民らに手足のしびれや感覚障害、視野狭窄(きょうさく)といった症状が相次いだ。1956年に公式に確認され、68年に国が公害と認定した。母親の胎内で影響を受けた胎児性患者もいる。根本的な治療法は見つかっていない。新潟県の阿賀野川流域でも同様の病気が発生。この新潟水俣病のほか、イタイイタイ病、四日市ぜんそくとともに、四大公害病と呼ばれる。被害者救済法案を衆議院に共同で提出した。水俣病特措法2004年の水俣病関西訴訟で最高裁が従来の基準よりも広く被害を認め、各地で提訴が相次いだことを受け、与野党の合意で09年7月に施行。救済対象と判断した被害者に、一時金210万円や医療費を支給するとした。1995年の政治解決に続く、第2の「政治解決」と呼ばれる。しかし、申請の受け付けを2年余りで打ち切ったため、多くの人が救済策から取り残された。の救済から漏れた被害者を支援するため、給付金などの申請期限をなくし、対象区域や年代を広げる内容。会期末が22日に迫っており、今国会での成立は難しい見込みで継続審議となる見通しだ。

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 2009年に施行された特措法は「あたう限りの救済」をうたい、被害者に一時金などを支給したが、申請は2年余りで締め切られた。新法案は「救済されるべき者がなお取り残されている」として給付金、療養費、療養手当を支給する制度の創設を定める。

 法案の条文では「給付金等...

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