
学生たちを前に、新潟水俣病被害の経験を語る皆川栄一さん(中央)と菅原ハルさん(右)=27日、新発田市富塚
新潟水俣病の被害者が自身の経験を語る授業が27日、新発田市の敬和学園大で行われ、学生ら約150人が聴講した。新潟水俣病は公式確認から60年となり、記憶の継承が課題となっている。被害者たちは「差別を恐れ、名乗り出られなかった」などと当事者が抱いていた心理を語った。
授業では、新潟水俣病阿賀野患者会の皆川栄一さん(81)と菅原ハルさん(85)が学生たちを前に思いを語った。
皆川さんは、1965年の公式確認当時から症状があったが、患者として実名を公表したのはおよそ半世紀たってからだった。「認定者が出ると、『あそこの家とは付き合えない』という声を実際に聞いた。地域で差別や偏見が強く、名乗り出ることが...
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