
第27回参院選が3日公示され、20日投開票に向けて選挙戦が始まった。改選124議席(選挙区74、比例代表50)と、東京選挙区の非改選欠員1補充の計125議席に522人が立候補を届け出た。女性は152人で過去2番目に多い。コメやエネルギーなどの物価高対策や、自民党派閥裏金事件に端を発した政治とカネ問題などが主な争点。石破茂首相(自民党総裁)の政権運営に対する国民の審判が示される。石破首相は自民、公明両党で非改選を含めた過半数の議席維持を勝敗ラインに設定している。新潟選挙区(改選数1)には、届け出順に政治団体「NHK党」新人の原田公成氏(68)、参政党新人の平井恵里子氏(46)、自民党新人の中村真衣氏(46)、立憲民主党現職の打越さく良(ら)氏(57)の4人が立候補を届け出た。
政治団体「NHK党」の原田氏は県庁前で第一声を上げ「公約の一丁目一番地はNHKの改革だ。NHKが好きだからこそ改革したい」と強調した。県庁周辺で自らポスターを掲示板に張り、3日に地元の埼玉県朝霞市に帰った。選挙期間中は主に交流サイト(SNS)で支持を訴える予定。本県での活動に関しては「(県内に)入りたい気持ちはあるが、まだ分からない」と語り、未定だとした。
平井氏は新潟市中央区の新潟伊勢丹前で第一声。「普通のお母さんだが、このままの日本ではいけないと思っている」と主張した。生活を豊かにするのが政治の役割だとして「何か結果を出してもらえただろうか」と自公政権を批判した。国政を含めた近年の投票率の低さにも触れ「政治が変わらないのは投票に行かないから。生活を変えたいなら、政治を変えなければいけない」と訴えた。
中村氏は新潟市中央区の万代テラスで自民の国会議員や県議、花角英世知事らと第一声を上げた後、県央地域や長岡市を中心に街頭演説した。物価高対策を挙げて「物価高を上回る賃上げをしていくべきだ。生活を守るために精いっぱい取り組む」と強調。農家が安心して生産できる環境づくりや所得保障など農業政策の見直しを訴えた。子どもの教育環境改善や防災・減災にも力を入れるとした。
打越氏は新潟市中央区のJR新潟駅前で、立民の国会議員や社民党県連幹部らと第一声の後、県内を縦断した。経済対策ではガソリンの暫定税率廃止や、医療や福祉、介護従事者の賃上げを行うと説明。農業政策では、農家への直接支払制度の必要性を主張した。分散型エネルギー社会の構築にも触れ「地域の民主的な手続きを経た合意がない限り、原発再稼働は認められない」と語った。
【原田氏略歴】会社員(埼玉県朝霞市議1期、会社役員、自営業)埼玉県朝霞市。熊本県立牛深高卒。2019年に入党。
【平井氏略歴】党県国政改革委員、生命保険会社社員。三条市。新発田南高、新潟職業能力開発短期大卒。2022年入党、24年から現職。
【中村氏略歴】党県参院選挙区第2支部長、スイミングアドバイザー(競泳五輪選手)長岡市。帝京長岡高、中央大卒。2000年のシドニー五輪女子100メートル背泳ぎで銀メダル。
【打越氏略歴】党「次の内閣」法相、党ジェンダー平等推進本部副事務局長、弁護士。新潟市中央区。東大院博士課程中退。2019年参院選新潟選挙区に無所属で出馬し初当選。