参院選の序盤戦で、新潟選挙区(改選数1)の候補者を応援するため、与野党の大物議員が続々と来県した。5日は石破茂首相(自民党総裁)が自民新人の中村真衣氏(46)の応援に入った。公示日の3日には立憲民主党の枝野幸男元代表が立民現職の打越さく良(ら)氏(57)の第一声に駆け付けた。共同通信社の序盤情勢調査では与野党が非改選を含む過半数の議席(125議席)獲得を巡り競り合っていることが判明。本県を含む32の改選1人区の勝敗が情勢を左右するため、今後も各党幹部が県内入りを予定する。
中村氏には石破首相が早速応援に入り、上越市と長岡市の2カ所で演説した。最大の争点である物価高対策について「早く届かないと意味がない」と強調。自民が公約に掲げる1人当たり2万円の給付の方が消費税の減税よりも早期に対応できると訴えた。

首相は「消費税が好きな人なんて誰もいない」としつつ、「消費税は全て医療、年金、介護、子育てに使う。減らしていいのか。その場だけ受ければいいとは考えない」と述べ、暗に野党を批判した。
米価高騰に対しては「生産が足りなかったのではないか検証する」との方針を示した。生産者目線の農政実現にも取り組むとした。
中村氏については「新人でこれだけ話せる」と演説を評価。「皆さんの力をください」と呼びかけた。
党本部は本県を激戦区と位置付け、今後も森山裕幹事長らが来県する予定だ。
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打越氏の公示日第一声には立民元代表で最高顧問の枝野氏が登場した。新潟市中央区のJR新潟駅前でマイクを握り「今の政権は暮らしを見ていない」と声を張り上げ石破政権を批判。対決姿勢を強調した。

枝野氏は自民の農業政策を「コメの値段を下げろとだけ言う」と指摘。「農家が安心してコメ作りを続けられる、若い人が後継者として出てくる、そうした農業政策をしっかりやる」と訴えた。打越氏の国会での存在感をアピールし「困っている人の声を国会につないできた」と語った。
立民も本県を最重点選挙区に位置付けており、4日に笠浩史国対委員長、公示前の2日に小川淳也幹事長を送り込んだ。湯沢町などで街頭演説した笠氏は「激戦の新潟選挙区で、しっかりと打越さんの議席を守らせてほしい」と力説した。
打越氏は5日、長岡市や燕市などで支持を訴えた。
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参政党新人の平井恵里子氏(46)には4日、党幹部が応援演説に来た。参政は消費税の段階的廃止を訴える。税金や社会保険料をどれだけ払っているかを示す国民負担率が高いことで生活が苦しくなっていると主張し、将来的に消費税廃止を実現する考えだ。
党幹部は「参政党はまだまだ小さいが、国民のための政治を当たり前に実現していく」と訴えた。7日には党代表の神谷宗幣氏が応援に入る予定だ。
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新潟選挙区には政治団体「NHK党」新人の原田公成氏(68)も立候補している。...