新規採用の国家公務員に講話で体験を語った曽我ひとみさん=佐渡市千種
新規採用の国家公務員に講話で体験を語った曽我ひとみさん=佐渡市千種

 北朝鮮による拉致北朝鮮が日本に暮らす人々を無理やり連れ去る「拉致」を行い、いまだに多くの被害者が帰国を果たせていない問題。2002年9月の日朝首脳会談で北朝鮮の当時の指導者・金正日(キム・ジョンイル)総書記が日本人を拉致した事実を初めて認める。日本政府が認定する拉致被害者は17人。このうち5人が02年10月に帰国した。政府認定被害者のほか、北朝鮮による拉致の可能性を排除できない「特定失踪者」が400人以上(民間団体調査)いる。被害者で佐渡市の曽我ひとみさん1978年8月12日、母のミヨシさん=失踪当時(46)=とともに北朝鮮に拉致された。2002年、ひとみさんは拉致されてから24年ぶりに帰国を果たしたが、ミヨシさんは日本に戻れないままでいる。ミヨシさんとの再会、帰国を願うひとみさんは署名活動や、佐渡市内の小中学校などで拉致問題を知ってもらうための講演を続けている。(66)が11日、佐渡市で研修を受けた新規採用の国家公務員に講話を行った。北朝鮮での実体験や、母ミヨシさん=失踪当時(46)=ら被害者の全員救出がかなわないもどかしさなどを訴えた。

 佐渡市での新規採用国家公務員の受け入れは、昨年に続き2回目。地方自治体の業務について理解を深める目的で、総務、外務、文部科学、国土交通の4省から1人ずつ計4人が参加。8〜11日の4日間、インフラ、医療、教育の現状などを学んだ。

 曽我さんの...

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