
学生たちと拉致問題への思いを語り合う上越教育大の清水雅之教授=上越市
北朝鮮による拉致問題1970~80年代、北朝鮮が日本人を連れ去る国際犯罪を重ねた。工作員の教育などが目的とされる。2002年の日朝首脳会談で金正日総書記が拉致を認めて謝罪。被害者5人が帰国し、8人は「死亡」とされた。日本政府認定の被害者は計17人で、北朝鮮は4人を「未入国」と主張している。日本側は説明に不審な点が多いとして受け入れず、交渉は停滞している。の早期解決に向け、上越教育大(上越市)が、教員を目指す学生に人権や地域課題に問題意識をもってもらう取り組みを進めている。清水雅之教授(57)が中心となり、佐渡市の拉致被害者の曽我ひとみさん(66)と交流するほか、大学の新しいプログラムで拉致問題を扱うなど、教育現場から考える機会を設け、風化を防ごうと力を注ぐ。
清水教授は小学校教諭として16年間勤め、人権・同和教育に携わり、大学教員に転身した。2015年ごろ、政府から拉致問題に関するセミナーの依頼があり、新潟県にとって重要課題の一つであることや、教員を育成する大学として取り組む意義を感じ引き受けた。
17年度に最初のセミナーを開催。学生たちはアニメ「めぐみ」を視聴した後、曽我さんの拉致現場を視察。県主体で同様のセミナーを19、22年度に実施した。
清水教授は当事者の話を聞くことや現場に足を運ぶことを重視する。特に...
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