街頭で北朝鮮帰還事業の実態や拉致問題の解決を訴える川崎栄子さん(右)=11日、新潟市中央区
街頭で北朝鮮帰還事業の実態や拉致問題の解決を訴える川崎栄子さん(右)=11日、新潟市中央区

 北朝鮮による人権問題の啓発に取り組む脱北者、川崎栄子さん(83)が今秋から新潟市中央区に移住し、県内を拠点に活動している。戦後、新潟市が全国の在日朝鮮人らの送り出しの窓口となった北朝鮮帰還事業の実態を地元から発信したい考えだ。14日で新潟港から第1船が出港して66年。自身も新潟から北朝鮮へ渡った川崎さんは「帰還事業が大きな間違いだったことを伝えたい」と話す。

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 帰還事業は、在日朝鮮人やその家族を北朝鮮へ集団移住・帰国させるため、日朝の赤十字が協定を結んで行われた。1959年から中断を挟んで84年まで続き、新潟港から計約9万3千人が渡った。当時、日本で北朝鮮は「地上の楽園」と宣伝されたが、北朝鮮に渡った多くの人が飢えや貧困に苦しんだという。

 京都府出身で在日2世の川崎さんも17歳の時、...

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