新潟水俣病の被害者団体と面会し、謝罪するトライグループの幹部=18日、新潟市北区
新潟水俣病の被害者団体と面会し、謝罪するトライグループの幹部=18日、新潟市北区

 中学生向け教材の中で水俣病熊本県水俣市のチッソ水俣工場から不知火海(八代海)に流された排水に、毒性の強いメチル水銀が含まれ、汚染された魚介類を食べた住民らに手足のしびれや感覚障害、視野狭窄(きょうさく)といった症状が相次いだ。1956年に公式に確認され、68年に国が公害と認定した。母親の胎内で影響を受けた胎児性患者もいる。根本的な治療法は見つかっていない。新潟県の阿賀野川流域でも同様の病気が発生。この新潟水俣病のほか、イタイイタイ病、四日市ぜんそくとともに、四大公害病と呼ばれる。を「遺伝する」と誤表記した問題を受け、「家庭教師のトライ」の運営会社トライグループ(東京)の執行役員らが18日、新潟市で県内の被害者団体と面会し、謝罪した。トライ側は「差別・偏見の撲滅への努力を無にする結果となり、深くお詫び申し上げる」と頭を下げた。

 トライグループの阿部正純執行役員らが、新潟水俣病1965年、新潟県の阿賀野川流域で公式確認された。阿賀野川上流の鹿瀬町(現阿賀町)にあった昭和電工(現レゾナック・ホールディングス)の鹿瀬工場が、アセトアルデヒドの生産過程で生じたメチル水銀を含む排水を川に流し、汚染された川魚を食べた流域住民が、手足の感覚障害や運動失調などを発症する例が相次いだ。56年に熊本県で公式確認された水俣病に続く「第2の水俣病」と呼ばれる。被害者の会など4団体と面会し、経緯や再発防止策を説明した。

 被害者の...

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