昭和元(1926)年から数えてちょうど「昭和100年」を迎えた。私たちの暮らしや価値観は、戦争と復興、高度経済成長、バブル崩壊といった時代の流れとともに大きく変わった。その歩みに寄り添ってきた新潟日報をひもとけば、懐かしさや新鮮な驚きを感じられる。在りし日の記事をたどりながら、今を生きる知恵を考えたい。

ルーレット、競馬ゲームなどコインを使って遊ぶゲームが子供の間ではやっている。新潟市の繁華街には専門の遊技場があり、ちょっとしたスーパーにもこの種のゲームコーナーがあって、週末には大人に交じって遊ぶ子供たちの姿が目立つ。【昭和50(1975)年11月20日夕刊社会面】
紙面には「ちびっこギャンブラー コインゲームに夢中」「学校帰りに遊技場へ 資金ほしさに盗み」など物騒な見出しが躍る。記事によると、遊技場でおもちゃの馬が出走する競馬ゲームにコインをつぎ込む子どもが続出。民家に忍び込んだり、コインを売買したりする小学生もおり、熱中の背景として「遊び場の少なさ」を指摘している。
このように一時は社会問題化した遊技場(ゲームセンター)だが、法規制が強化され、家庭でコンピュータゲーム熱が高まった昭和の終わりには、ゲーセンでの少年の補導数も減少傾向に。平成に入ると、イメージも変化の兆しが見える。
1992年2月の記事は...
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