昭和元(1926)年から数えてちょうど「昭和100年」を迎えた。私たちの暮らしや価値観は、戦争と復興、高度経済成長、バブル崩壊といった時代の流れとともに大きく変わった。その歩みに寄り添ってきた新潟日報をひもとけば、懐かしさや新鮮な驚きを感じられる。在りし日の記事をたどりながら、今を生きる知恵を考えたい。

電子卓上計算機が急速に普及。「一家に一台、ソロバン代わりに…」という宣伝文句まで登場した。だがどっこい-ソロバンはまだまだ健在。文房具店での売れ行きはまずまず。珠算塾の生徒数も横バイを続けている。珠算検定の受験者もさほど減っていない。【昭和50(1975)年5月21日上越版】
習い事の定番として、人気を集めたそろばん。珠算検定などを行う「全国珠算教育連盟」によると、連盟が実施するそろばん検定試験の受験者数は1979〜80年がピークで約317万人いた。記事が掲載された75年は、検定受検数がピークに向かう時期。電卓が普及し始めていたものの、依然として人気が高かったことがうかがえる。
全国の小学校でそろばんの授業を指導する「日本そろばん資料館」の谷賢治名誉学芸員(87)=東京都=は...
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