2024年春のJR新潟駅(新潟市中央区)と駅ビルのリニューアルに伴い、月別の休日1日当たりの平均来訪者が24年5月は約3万9千人と開業直前に比べて倍増し、その後も1・3〜1・7倍で推移していることが17日、分かった。スマートフォンアプリの匿名化された位置情報を基に新潟日報社が分析した。新潟県の玄関口である新潟駅の改修が、拠点性の向上に一定程度つながった形だ。

 調査には、ソフトバンクグループの情報サービス会社Agoop(アグープ、東京)の人流マーケティングツール「マチレポ」を使用した。

 駅の改修工事に伴い、約100店のうち約70店が閉店。その後、駅ビル「CoCoLo新潟」が24年4月に本格開業した。CoCoLoには、3〜5月に各テナントが入り、既存店と新店の計約170店が新たなにぎわいを生み出した。

 リニューアル前の24年2月の休日1日当たり平均は約1万9千人だった。5月には、ほぼ倍の約3万9千人に増加し、帰省客が増える8月も約3万7千人と大きく伸びた。以降、24年9月から25年11月までは、2万5千〜3万3千人台で推移してきた。ことし11月は約2万5千人が来訪した。

 近隣の万代地区では来訪が一時減少したが回復。その後は駅との相乗効果も見られる。郊外のイオンモール新潟亀田インター(新潟市江南区)には大きな変化はなかった。

 CoCoLo新潟を運営するJR東日本新潟シティクリエイト(新潟市中央区)は、全体の詳しい売上高は明らかにしていないが「計画通りか、上振れているテナントが多い」とする。

 オープン当初は目新しさから3世代の家族連れが目立ったが、現在は買い物目的の30、40代の友人同士が多いという。同社の担当者は「(施設の)認知度は高くなっている。駅ビルといえば土産物メインになりがちだが、地元からの買い回りも重視していきたい」とした。

<調査方法>Agoopの人流マーケティングツール「マチレポ」を使い、データを分析した。マチレポは利用者の同意を得たスマートフォンアプリの位置情報を匿名化して活用し、各数値を算出する仕組み。今回の調査対象は商業施設に30分以上12時間未満、滞在した人たち。万代地区は新潟伊勢丹、ラブラ万代(1、2)、ビルボードプレイス(1、2)、バスセンターが対象。人数は推計値。

◆万代では一時、来訪者数が落ち込むも…(グラフあり)

 2024年春のJR新潟駅(新潟市中央区)のリニューアルに伴い、新潟市中心部の商業施設来訪者はどう変化したのか。...

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