
伊藤敏明さんに贈り物を渡し、感謝の気持ちを伝える粟島浦村の人たち=粟島港
粟島と本土を結ぶ粟島汽船で船長を務めた伊藤敏明さん(63)が15日に最後の航海を終え、引退した。公共交通機関の担い手として37年5カ月にわたって粟島浦村の人々の暮らしを支え続けた。粟島港では伊藤さんの最後の出航を前にセレモニーが行われ、大勢の村民が感謝の思いを伝えた。
伊藤さんは村上市出身。船乗りだった父の背中を追うように、かつて村上にあった海員学校で学んだ。国内外でタンカーを運航する船会社で働いたが、結婚を機に地元で家族と一緒にいたいとの思いが募り、1988年に粟島汽船へ入社。定年を3年延長し、船長としての勤務は30年間に及んだ。「家族と離れることなく、船乗り人生を全うできて良かった」と振...
残り611文字(全文:911文字)