ミャンマー東部パヤトンスの検問所で任務に就く軍政派「民主カレン慈善軍」の兵士ら=10月(共同)
 ミャンマー東部パヤトンスの検問所で任務に就く軍政派「民主カレン慈善軍」の兵士ら=10月(共同)
 ミャンマー・パヤトンス
 ミャンマー東部パヤトンスの検問所で、通過する車を調べる軍政派「民主カレン慈善軍」の兵士=10月(共同)
 ミャンマー東部パヤトンスで「もう前線には戻りたくない」と語る民主派「カレン民族同盟」の兵士クンモーエイン=10月(共同)
 パヤトンスの各組織相関図
 ミャンマー東部パヤトンスでクンモーエインが暮らす小屋。右は妻=10月(共同)
 ミャンマー東部パヤトンスで「勝利を確信できない」と語る民主派「国民防衛隊」の兵士アルソー=10月(共同)
 ミャンマー東部パヤトンスで軍事政権指揮下の警察署長を務めるブージー=10月(共同)
 ミャンマー東部パヤトンスの市場で魚を買う女性たち=10月(共同)

 「正義の民主派」対「悪の軍事政権」。ミャンマー内戦はそう理解されることが多い。しかし2021年2月のクーデターから4年以上の苦闘で民主派は混乱を深め「打倒軍政」で一致できずにいる。生き残るため軍政側と協調する動きもあり、民主派兵士は「汚い現実」に戦意を失いつつある。少数民族が支配する東部カイン(カレン)州に共同通信記者が入り、兵士の本音を聞いた。

 熱帯雨林が広がる同州パヤトンスはタイとの国境に位置し、貿易と人身売買、薬物密売の中心地。中国人犯罪組織の特殊詐欺拠点もある。国内避難民ら数万人が暮らす町に、民主派と軍政派の武装組織が混在する。

 「ここでは敵と味方がごちゃ混ぜだ」。民主派「国民防衛隊...

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