北海道・知床の羅臼町沖で観光船の近くを泳ぐシャチの群れを見る観光客ら=6月
 北海道・知床の羅臼町沖で観光船の近くを泳ぐシャチの群れを見る観光客ら=6月

 世界自然遺産の秘境に胸を躍らせていたはずの乗客ら26人全員がオホーツク海の冷たい波間に消えて3年半。北海道・知床沖で起きた観光船沈没事故の責任を問う刑事裁判が始まった。検察側は、同業者の忠告にもかかわらず出航した事業者の責任を追及。事故では国なども安全対策の不備を問われ再発防止策が次々と打ち出されたが、地元の観光船事業は客足の戻りが鈍く、苦境が続く。

 ▽空白地帯

 「海域は春先には天候が急変しやすく、急に荒れる。同業者であれば当然知っていた」「(同業者は船長に)運航を取りやめるよう、あるいは、出航しても昼頃までには必ず帰ってくるよう忠告した」

 12日午前、釧路地裁で開かれた初公判。検察側は、乗...

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