
展望台から見た長崎県対馬市の山々や湾=5日
原発の高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定に向けた文献調査が北海道の2町村で始まり5年。2町村に続き、長崎県対馬市と佐賀県玄海町でも調査受け入れを巡り議論が巻き起こったが結論は分かれた。賛否で住民の分断が尾を引いたり、全国的な議論喚起の思いはかなわなかったり―。翻弄される2市町を記者が歩いた。
▽島の未来は
「市民の合意形成が不十分だ」。対馬市の比田勝尚喜市長は2023年9月、市議会で調査に応募しない意向を表明した。議会は先立って受け入れを促進する請願を僅差で採択したが、市長は逆の判断。さらに住民も賛否が分かれ対立した。
同市は南北約82キロに延びる島で、約2万7千人が暮らす。韓...
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