韓国・国民大日本学科の李元徳教授
韓国・国民大日本学科の李元徳教授

 「佐渡島(さど)の金山」(佐渡市)は世界文化遺産に登録されてもなお、歴史認識を巡る日韓両国の隔たりが影を落としている。9月には、朝鮮半島出身者を含む全ての労働者のための追悼式が佐渡市で開かれたが、韓国側は昨年に続いて欠席。21日に韓国政府主催で独自の式典を開く見通しだ。事態を打開する方策はあるのか。新潟市中央区で開かれた日韓関係を考えるセミナーで来県した韓国・国民大日本学科の李元徳(イウォンドク)教授(62)に聞いた。(報道部・江森美奈子)

-「佐渡島(さど)の金山」の世界文化遺産登録をどう受け止めていますか。

 「東アジア全体で登録を目指す観点からすれば、佐渡金山が世界的に知られ、観光客が訪れるようになるのは韓国からみても悪くない。ただ、そのプロセスで国連教育科学文化機関(ユネスコ)の全体の歴史を表すという原則からは物足りない部分があるというのが、韓国の見方だ」

-追悼式での戦時下の労働を巡る表現が...

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