【ウナギ国際規制】形勢不利、多数派工作

　ワシントン条約の締約国は、ニホンウナギを含む全てのウナギの国際取引を規制する案を委員会で否決した。形勢不利とみた日本は多数派工作を展開するとともに、提案者の欧州連合（ＥＵ）と水面下で交渉。「絶滅」が指摘されるウナギを巡る攻防戦を制した。

　▽焦り

　「ビザは取ったか」「誰が来るのか」―。１０月下旬、各国に反対を呼びかける水産庁は焦りを募らせていた。ＥＵの提案を否決に追い込むためには、ワシントン条約を締約する約１８０の国・地域のうち、投票数の３分の１を超える反対票が必要だ。ウズベキスタンでの会議に向け日本に同調しそうな国に次々と連絡を入れた。

　呼びかけは政治レベルでも進めていた。８月のアフリカ開発...