日米首脳の立場(写真はロイターなど)
 日米首脳の立場(写真はロイターなど)

 高市早苗首相がトランプ米大統領との電話会談で、台湾有事を巡る日中対立への懸念を伝えられていたことが判明した。対中国の「後ろ盾」と見込んでいたトランプ氏の介入により、首相は一層苦しい立場に置かれる形となった。実利を重視するトランプ氏のさらなる対中接近に危機感は募る。日中関係改善の妙手はなく、事態打開の見通しは立たない。

 ▽修正に躍起

 「中国を挑発しないよう助言との記述があるが、そのような事実はない点は明確にしておく」。木原稔官房長官は27日の記者会見で、トランプ氏と首相の電話会談を伝えた米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)の報道内容の一部を否定した。会談内容の詳細は「外交上のやりとりで...

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