火災があった日まで両親と暮らしていた高層住宅群「宏福苑」を見つめる呉欣樺さん=28日、香港北部・新界地区大埔(共同)
 火災があった日まで両親と暮らしていた高層住宅群「宏福苑」を見つめる呉欣樺さん=28日、香港北部・新界地区大埔(共同)
 住民が避難する体育館に設けられた医薬品を提供するブース=28日、香港新界地区大埔(共同)
 避難所となった体育館で食事をとる女性=28日、香港(共同)
 ボランティアとして食料を配布する高校3年の鄭恵文さん(左から3人目)=28日、香港北部・新界地区大埔(共同)
 火災があった高層住宅群からストレッチャーで運び出される消防隊員とみられる男性=28日、香港北部・新界地区大埔(共同)
 火災が起きた香港の高層住宅群(イメージ)

 そびえ立つ巨大な建造物は見る影もなく焼け落ち、廃虚そのものだった。100人以上が死亡した香港の高層住宅群火災。行方不明者の捜索は発生3日目を迎えた28日も続いた。郊外のニュータウンとして整備された一角に集まる住宅は築40年余り。多くの高齢者を含む住民は無残に失われた「ついのすみか」を見上げ、悲嘆に暮れていた。

 香港中心部から電車で約30分。新界地区大埔の駅を降りると、火災があった高層住宅群「宏福苑」が見える。外壁や部屋が焼け、化学物質が混じったにおいが鼻を突く。

 菊の花束を供えに来たコウ玉玲さん(38)は「世界中が悲しみに包まれた。知り合いはいないが、いても立ってもいられなかった」と涙を流し...

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