ボスニア・ヘルツェゴビナ北部ブルチュコの街並み=10月31日(共同)
 ボスニア・ヘルツェゴビナ北部ブルチュコの街並み=10月31日(共同)
 クロアチアとボスニア・ヘルツェゴビナ北部ブルチュコをつなぐ国境検問所=10月31日(共同)
 ボスニア・ヘルツェゴビナ唯一のブルチュコの国際河川港。物流の拠点となっている=10月31日(共同)
 ブルチュコ行政区の庁舎=10月31日、ボスニア・ヘルツェゴビナ北部ブルチュコ(共同)
 小学校で仲良く学ぶ子どもたち=10月31日、ボスニア・ヘルツェゴビナ北部ブルチュコ(共同)
 セナド・オスマノビッチ教育局長=10月31日、ボスニア・ヘルツェゴビナ北部ブルチュコ(共同)
 シニシャ・ミリッチ区長=10月30日、ボスニア・ヘルツェゴビナ北部ブルチュコ(共同)
 ボスニア・ヘルツェゴビナ、サラエボ

 旧ユーゴスラビアのボスニア・ヘルツェゴビナで続いた3民族によるボスニア紛争が終結して30年。かつて激戦地だった北部の要衝ブルチュコは複雑な国家の枠組みの中で帰属が決まらぬまま独自の行政区という道を歩んできた。対立の火種は今も全土でくすぶるが、民族が異なる子どもたちが教室で机を並べる教育を実現し、数少ない共存の舞台となっている。

 ▽笑顔

 10月末、暖かな日差しが降り注ぐ小学校で、5年生の児童14人が仲良く英語の授業に臨んでいた。ボスニャクと呼ばれるイスラム教徒のアディンさん(10)は「学校は楽しい」と話し、セルビア人のドラガナさん(11)は「みんな友達。問題はない」と笑顔で語った。

 ブルチュコ...

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