【教職員へのカスハラ対策】なり手不足、離職に危機感

　東京都教育委員会が保護者によるカスタマーハラスメント（カスハラ）対策に乗り出した。背景には、保護者対応が教職員のなり手不足や離職の深刻化の一因となっている現状がある。具体的な事例を明示した対応ガイドライン案からは、教職員を守るという都教委の強い決意や危機感が垣間見える。同様の問題を抱える他の自治体にとってはモデルケースとなりそうだ。

　▽現場任せ

　「子どものルール違反を巡る対応で、保護者が来校したのは午後１１時。話を聞いているうちに終電がなくなり、学校に泊まるしかなかった」。首都圏の学校に勤務するベテラン教員はため息をつく。面会が深夜となった理由は保護者側の「仕事が終わらず、遅くならないと時間...